桃色うきぐも自己紹介その3

かくいう私も、昨年まで一介の医師として普通に働いてきました。
私が医師になったいきさつは以下のごとくです。

父と師弟関係になるなんてまっぴらと、医学部に行く気はなく文系クラスにいた私に、高3の夏休みのこと、それまで進路について何も言わなかった父が突然
「医学部に行きなさい。とにかくそうした方がいい!」と言い出しました。
いつも強い父ではありましたが、今回は常ならぬ確信的な表情。。私は驚き反発しながらも、深いところではなぜか不思議と、抵抗感がありませんでした。
自分でも、心のことや、目に見えない事を本当にわかろうと思うのであれば、遠回りでも現代の科学の考え方を勉強しておいた方がいいのかな。と薄々感じていたのかもしれません。
父は顕在意識では、将来性や、家業を手伝ってもらえる期待をして強く勧めたのかもしれませんが、その後の私の人生を振り返るにつけ、つくづく自分に必要な展開であったと思い、
今では父は私の大事なソウルメイトであると確信できるのです。

高3からの「理転」をして入らせていただいた医学部を卒業する時には、家業とは関係のない科に進む事を決めていました。この時父は何も言いませんでした。
ヒトの受胎、妊娠出産の仕組み、月経周期のホルモン動態に強く惹かれた私は、産婦人科を選びました。
今思うと、医師として病める人を治したいというより、完璧なる人体のシステムに神秘を感じて、より間近でそれに接する事が出来れば。という気持ちだったと思います。
当時の医局説明会で、先輩の先生方からは、「産婦人科は寝れないしご飯食べれない、キツイ科だけど大丈夫?」などと言われましたが、気持ちが揺らぐことはありませんでした。