無農薬栽培の農園さんにて

前述のように、医師としての仕事をしていた時は時間的余裕が全くなく、消費者オンリーの立場だったところを、仕事の整理をつけてより自然との交流を図っているのですが、最近家の近くに無農薬で野菜や果物を作っている農園さんがあるのを知り、お手伝いに行きだしました。
たまたま気候のよい10月から始めたのでまだ厳しさが体感できていませんが、自然の中で作業しているとやはり気持ちよく、芋虫カエルカメムシなどとも、なるべく作物を分け合う意識で交流しています。

農園主さんはサラリーマン家庭出身で、ご自分も食品会社勤めだったそうですが、奥さんの実家が農業でしばしば手伝っていたこと、もともと植物が好きだったこともあり、農業従事者となり、色々な経験を経て無農薬で頑張ろうと農園を開き今に至ります。植物の気持ちがわかると言っておられます。

なぜ無農薬なのか。それは土の中の微生物の働きが健康で生命力のある作物を育て、食べた人や昆虫、鳥の自然な命のサイクルを促し、真の意味で健康な状態を作るからなのです。農業をやっている方はたとえ慣行栽培をやっているにしても、そのような自然のサイクルに触れ、向き合っておられ、足立先生のフゲーエキンさんを無意識に認知してその恩恵を感じておられるのだと思いますが、実際の収益面、システム面などのしがらみにより、大きく無農薬、無肥料栽培に舵を切る事がむずかしいのだと思います。

 また足立先生の体験談からの抜粋になってしまいますが、自らの経験を交えておっしゃるには、直感で、こうした方が本当はいいんだと思う事があったら、直感は損得では出てこないので、思い切って行動に移すと、ああもうダメだというような状況になっても不思議と時空が味方をしてくれて、何とかなるのだと。お金がなくてこのままでは消滅してしまうかに見えても、偶然のようにみえる他からのサポートがあったり、味方をしてくれる人が現れたりして維持できてしまうのだと、言っておられました。

 私も、大きな自然のサイクルの一部として、人間として生まれてきて、自分自身になる事以上に、やることはないという言葉のように生きていきたいと願っています。